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体の中が「見える」機械。CTとMRIって何が違うの?

2018.04.12

体の中が「見える」機械。CTとMRIって何が違うの?


医療の現場ではまず「その人の疾患が何か」を診断しなくてはなりません。診断の補助となる検査機器として「CT」「MRI」が一般によく知られています。これらがどんな装置なのか皆さんはご存じですか?今回はCTとMRIについて解説します。

記事監修


永井愛子 先生


日本医学放射線学会専門医。岐阜大学医学部卒業。2013年より福井県済生会病院に勤務。

女医+(じょいぷらす)所属。

■「CT」は体の中を輪切りにして見る装置

CTは「Computed Tomography」の略で、「コンピューター断層撮影」と訳されます。通常は「X線CT」のことで、X線を人間の体に照射し、どの程度吸収されたかを記録。そのデータを基にコンピューターが画像にします。



CTを使った検査を行うと、体の中を輪切りにしたような画像が得られます。基本はこのスライスされた2次元画像ですが、3次元画像に変換して表示する機器もあります。また最近では、心臓の拍動までも動画で再現可能な「4次元CT」も登場しています。


CTは大変役立つ検査装置ですが、放射線被ばくというリスクがあります。ただし、健康に与える影響はわずかなものと考えられています。また、ペースメーカーをつけている人がCT検査を受ける場合には注意しなければなりません。まれにですが、誤動作を起こす可能性があるので、医師と相談してその判断・指示に従いましょう。

■「MRI」は磁気を使って体のスライス画像を見る装置

MRIは「Magnetic Resonance Imaging」の略で、「磁気共鳴画像法」と訳されます(「核磁気共鳴画像法」などの略もあり)。人間の体に高周波の磁場を与えて水素原子を振動させ(共鳴現象)、その際に発生する電波を受信。このデータを基にコンピューターが画像にします。



MRIを使った検査を行うと、体の中を縦や斜めなど自由な角度からスライスした画像が得られます※1。水素原子を共鳴させるという原理なので、体の2/3が水といわれる人間の撮影(撮像)には向いています。X線CTが苦手な軟部組織(筋肉、脂肪、線維組織、血管、その他の体の支持組織のこと※2)状態を確認したい、脳や脊髄を詳しく検査したい、といった場合にはMRIの出番です。


CTと違って放射線被ばくのリスクはありません。ただし、ペースメーカー、その他磁気に反応する金属が体内にあるとMRI検査を受けることができません。MRIは強力な磁場を発生させる巨大な磁石のようなものであるためです。最近ではMRIに対応したペースメーカーもありますが、医師と相談してその判断・指示に従いましょう。

※1.この点が、CTよりMRIが優れた点だったのですが、技術の進歩によってCTでもこれが可能になっています。

※2.引用:PDQ®日本語版がん用語辞書「軟部組織、軟組織」より

http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/dictionary/index.jsp


CT、MRIを用いると体の中が視覚化できるため、非常に診断がしやすくなります。検査費用はお高くなりますが、医師の判断により検査の指示があるときには、検査を受けてみるのはいかがでしょうか? 未経験であればなおさら「私の体の中はこうなっているんだ」と確認できますよ。


(高橋モータース@dcp)