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疾患が隠れている可能性も…。「むくみ」の原因とは?

2018.02.01

疾患が隠れている可能性も…。「むくみ」の原因とは?


朝起きたら顔がむくんでいた、夕方になると脚がむくんでくる……、このような「体のむくみ」は誰にでも起こりうることです。しかし、なかには「疾患のサイン」として現れるむくみもあります。今回は、むくみを引き起こす疾患やその対処法を解説します。

記事監修



岡村信良医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■「むくみ」の原因は?

「むくみ」は、細胞や皮下にたまった水分や老廃物が蓄積して発生します。脚のむくみは、脚に下りてきた血液を心臓に循環させる力が弱く、水分が脚にたまってしまうことが原因です。顔のむくみは、水分やリンパ液が顔の皮下に残ってしまうために起こります。むくみのことを医学用語では「浮腫(ふしゅ)」といいます。


むくみを引き起こす疾患としては、以下のようなものがあります。

●下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

膝から下の下腿(かたい)の静脈に血液がたまる病気です。ふくらはぎ周辺の血管が浮き出て、コブのようになります。


脚の静脈は重力に逆らって血液を心臓に送りますが、このときに逆流が起こらないようにするのが「逆流防止弁」です。血液の流れが悪くなると静脈には血液がたまり、限界を超えると静脈を広げて逆流してしまいます。逆流した血液が逆流防止弁にたまるため、ボコボコとコブのようになるのです。治療が必要なものではありませんが、美容的に気になるのであれば治療することもできます。


対策としては、圧迫療法で用いる弾性ストッキングの着用が挙げられます。弾性ストッキングによって脚の静脈が圧迫され、血液が逆流するのを防ぐ効果があります。

●深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)

一般的には「エコノミークラス症候群」と呼ばれている疾患です。長時間身動きが取りにくい状況で同じ姿勢を続けていることにより、膝の裏などの静脈の血行が悪くなります。すると静脈内に「静脈血栓」という血の塊ができ、これが肺まで流れていくのです。場合によっては命にも関わる危険な病気です。


この病気でも、脚のむくみや痛みといった症状が見られます。重症になると呼吸困難や血圧低下を起こしたり、胸が痛んだりします。


対処法としては、同じ姿勢を取り続けないことと、適度な水分補給です。飛行機などで長時間座っていなければならないような場合でも、時々は立ち上がり、水分を取るように心掛けましょう。

●慢性心不全(まんせいしんふぜん)

心臓の機能が低下することで、全身の血流が滞ってしまいます。これは、生命活動に必要な酸素を十分に送れないということでもあります。脚のむくみが現れるのは右心不全といって、全身の血流が滞るものです。左心不全では、呼吸困難や動悸(どうき)、咳(せき)や痰(たん)といった症状が現れます。


心不全では、就寝後しばらくすると呼吸困難に陥ることがあります。これは「発作性夜間呼吸困難症」といいます。対処としては、横になった姿勢から起き上がることです。眠っているときに息苦しくて目が覚めたら、一度起き上がってみると良いでしょう。これは自分で治すことが難しい病気です。症状に思い当たったら専門医に相談しましょう。

●ネフローゼ症候群

いろいろな腎臓の病気によって起こる症候群です。尿に大量のタンパク質が出てしまうことにより、血液中ではタンパク質が減少し、脂質が増加します。また、血液中の水分が減り、血管の外に水分、塩分が増えるために顔や手足を中心に全身にむくみが現れます。


対処法としては、塩分とタンパク質を控える目的の食事制限があります。とはいえ、食事だけで完治するものではありません。食事制限をするにしても、専門医の指導を受けながら、根気よく取り組まなければなりません。

●リンパ浮腫

リンパ管の働きに障害が発生し、皮膚組織に体液がたまります。そして、たまった体液によってむくみが生じるという病気です。リンパ浮腫には、先天性あるいは原因不明の「一次性リンパ浮腫」と、がんの治療でリンパ節を切除したなどのような、明確な原因のある「二次性リンパ浮腫」の2種類があります。そして、患者の多くは二次性リンパ浮腫だといわれています。リンパ浮腫では、腕や脚にむくみが現れます。


リンパ浮腫は現在の医学では治らない病気ともいわれています。しかし、自然にできるむくみであれば、利尿作用のあるものを食べたり、利尿剤を服用することで改善するともいわれます。また、マッサージや、むくんでいる部位を高くして就寝するという対処法も知られています。完治できなくても、症状を悪化させることがないように、医師の指導を受け、しっかり病気に向き合っていきましょう。



たかが「むくみ」と思っていても、場合によっては病気が隠れている可能性もあります。マッサージなどでも改善が見られない、またむくみ以外の症状が気になる場合は、すぐに病院に行って診察を受けるといいですね。


(藤野晶@dcp)