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手足は冷たいのに顔は熱い…。「冷えのぼせ」の原因と対策

2018.01.22

手足は冷たいのに顔は熱い…。「冷えのぼせ」の原因と対策


「冷えのぼせ」という言葉をご存じでしょうか。これは、「手足は冷えた状態なのに、頭や上半身は火照ってのぼせている」状態のことを指します。最近では、こうした症状を訴える人が増えているとのこと。今回はこの「冷えのぼせ」について、症状や原因、対処法を解説します。

記事監修



岡村信良医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■「冷えのぼせ」の症状と、その原因は?

「冷えのぼせ」は、手足は冷たくなっているのに、頭や上半身は熱くなっているという症状です。頭や上半身が熱いので、のぼせたような状態になります。「冷えのぼせ」は、「自律神経失調型の冷え性」(後述)なのです。


一般的に「冷え性」は、手足などの末端や、腰やおなかが冷えるといったもので、これは温度変化の激しい環境で体を冷やすことが原因で起こります。「冷え」は次の3種類に分類することができます。

  • 血行不良型の冷え

  • 水分代謝異常による冷え

  • 自律神経失調型の冷え

「冷え」の状態が続くと、人間の体は本能的に末端の体温を下げてでも頭部の温度が下がらないように調整しようとします。その結果、頭部と末端の温度差は大きくなり「冷えのぼせ」の状態になるのです。


「冷えのぼせ」の状態では、体温調整のために自律神経の交感神経と副交感神経が通常よりも働かなければならなくなります。具体的には、熱くなった上半身の温度を下げるために副交感神経が働き、冷たくなった末端の温度を上げるために交感神経が働きます。


交感神経と副交感神経が過剰に作用した結果、自律神経そのものがバランスを崩してしまいます。そのため「冷えのぼせ」は「自律神経失調型の冷え性」といわれているのです。


さらに「冷えのぼせ」の状態が続くと、自律神経が乱れているために血行不良型の冷え、水分代謝異常による冷えが悪化してしまいます。これが「冷えのぼせ」の症状をさらに悪化させ……と、負のスパイラルに陥ってしまいます。


「冷えのぼせ」は「冷え性」の一種ですが、一般的な「冷え性」とは異なる以下のような特徴があります。


  • 睡眠の質が悪い

    「冷えのぼせ」の人は寝ている間でも交感神経が働いており、緊張状態にあります。通常は、寝ているときは副交感神経が働き、リラックスして体と脳を休ませるのですが、交感神経が働いていると寝付きも睡眠の質も悪くなります。

  • 入浴しても温まらない

    入浴の際はぬるめのお湯にゆっくり漬かって体を温めるのが良いとされていますが、「冷えのぼせ」の人は体が温まる前にのぼせてしまいます。そのため長時間の入浴ができず、効果的に体を温めることができないのです。

  • 自律神経の異常

    「冷えのぼせ」は自律神経失調型の冷えだと説明したとおりで、自律神経が乱れています。特に、体の活動時に活発になる交感神経が過剰に働くため、本来はリラックスしているべきときでも緊張し、精神的にも不安定な状態になります。

■「冷えのぼせ」の対処法は?

「冷えのぼせ」の対処法としては、首の後ろを温めるのが効果的です。蒸しタオルのほか、市販の温熱製品を使うのもお勧めです。蒸しタオルはすぐに冷めてしまいますが、温熱製品は効果がより長く続き、効果的に温めることができます。


逆に、やってはいけないことは以下のとおりです。一見良さそうに思えますが、症状を悪化させてしまう可能性があります。


×首や肩を冷やす

頭がのぼせているので、首を冷やせばよいと考えるかもしれませんが、これは間違いです。首や肩を冷やすと、自律神経のバランスを乱してしまいます。


×タートルネックの服を着る

首を温める目的でタートルネックの服を着るというのも良さそうです。しかし、これも間違っています。確かに温まりはしますが、のぼせて汗をかきます。この汗によって体が冷えてしまうのです。


×長時間の入浴

ゆっくり入浴するのは、一般的には効果的です。しかし「冷えのぼせ」の人は、体の芯まで温まる前にのぼせてしまいます。



「冷えのぼせ」は「冷え性」の症状が悪化したものだといわれています。放っておくと自律神経の乱れから、より重い病気になることもあります。首の後ろをしっかり温め、改善していきましょう。なかなか症状が改善されない場合は、病院で相談してみることをおすすめします。


(藤野晶@dcp)