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運動したあとの汗と、緊張したときの汗は違う?汗の種類って?

2018.01.05

運動したあとの汗と、緊張したときの汗は違う?汗の種類って?


暑いときや運動をしたとき、緊張したときや辛いものを食べたときなど、「汗をかく」機会はさまざまです。これらの汗は、すべて同じように見えますが、はたして本当に同じものなのでしょうか?今回は状況によって変わる「汗の種類」について解説します。

記事監修



屋代未佳 先生


日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。北里大学医学部卒業。その後、大学病院や関連病院で勤務。

女医+(じょいぷらす)所属。

■汗には種類がある?

人間が流す汗は、汗腺という腺から分泌される液体です。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」があり、それぞれ出る汗の性質や仕組みが異なります。さらにエクリン腺から出る汗は、発汗の原因によって3つに分類されます。

●エクリン腺から出る汗

エクリン腺は全身に広く分布しており、ここから出る汗はほとんどが「水分」です。エクリン腺では血管から血液の成分を受け取り、汗として必要な量の水分が分泌され、体に必要なナトリウムなどは血管に再吸収されます。エクリン腺はいわばろ過装置のようなものといえます。


エクリン腺からの発汗は血液からこし取った水分が主成分ですが、どのような場合に分泌されるかによって以下の3つに分類されます。


  • 体温調整のための「温熱性発汗(おんねつせいはっかん)」

    暑さや運動によって上昇した体温を下げるための発汗を「温熱性発汗」といいます。健康なときには、サラサラとした汗が出て、においもほとんどありません。


    しかし汗腺の機能が低下していると、ミネラルや老廃物など余分な成分が多く残った汗が出ます。濃度が高いため蒸発しにくく、体温調節もうまく行えなくなります。この場合の汗は、べたべたした感触で、においがするのも特徴です。

  • 緊張や不安など、精神的な刺激による「精神性発汗(せいしんせいはっかん)」

    緊張したときや興奮したとき、不安を感じているときなどにも汗をかきます。このような精神的な刺激による発汗を「精神性発汗」といいます。発汗は、自律神経のうち交感神経の働きによって起こります。緊張などで交感神経が刺激されることにより、汗が出るのです。

  • 辛いものなどを食べた刺激による「味覚性発汗(みかくせいはっかん)」

    辛いものや酸味の強いものを食べたときにも汗をかきます。これは「味覚性発汗」といいます。辛いものなどを食べた刺激によって発汗します。額や鼻などからたくさんの汗が出ます。

●アポクリン腺から出る汗

全身に広く分布するエクリン腺に対して、アポクリン腺は脇の下、耳、陰部、乳輪などの限られた部位にしかありません。また、思春期から発達し始め、老年になると小さくなっていくという特徴があります。


汗の役割のひとつに体温調整がありますが、アポクリン腺から出る汗の量はその役割を果たすほど多くありません。アポクリン腺から出る汗はエクリン腺から出る汗よりも「不純物」を多く含みます。この不純物の中にはタンパク質や脂質などが含まれており、においや粘り気があります。アポクリン腺から出る汗は性ホルモンと関与し、「においを出すためのもの」で、本来はフェロモンのような働きがあったともいわれています。



人間はいろいろな状況で汗をかきますが、汗は全て同じというわけではありません。汗をかくのは自然なことなので、少し汗かきでも特に気にすることはないでしょう。ただ、特にアポクリン腺から出る汗はにおいの原因になるので、ケアにも気を付けたいところです。


(藤野晶@dcp)