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「発達障害」とは?大人もなることはある?

2017.12.18

「発達障害」とは?大人もなることはある?


ここ数年、メディアでもよく取り上げられている大人の発達障害。今回はこの「大人の発達障害」について取り上げます。発達障害って、そもそも何なのでしょうか?

■「大人の発達障害」とは?

発達障害は、生まれたときからその特徴を抱えているはずのものです。


しかしながら取り巻く環境によって、その特徴がはっきりと出ることもあれば、ほとんど目立つことがない場合もあります。後者のような方の中には、「なんだか生きにくさは感じてきたけれども、大きな困難には直面することなく過ごしてきた」というケースもみられます。こうした場合、本人も周りも発達障害であることに気がつかないことが多いです。


発達障害であることをはっきりと自覚しないまま大人になり、社会人として働くようになると、職場での人間関係に悩んだり、業務の処理がうまくできなかったり……。さまざまな問題に対処できないという問題に直面することがあります。これらを「うつ症状によるもの」だと思って受診した結果、はじめて発達障害の診断がつくことがあるのです。


つまり「大人の発達障害」は、大人になってから発達障害になるというわけではありません。

■そもそも「発達障害」って?

発達障害は、身体的な病気とは異なり「どの状態からが発達障害で、どの状態ならそうではないのか」という線引きがとても難しいとされています。なぜなら発達障害は病気ではなく、「生きづらさへの配慮や支援を要する状態であるということを指し示す言葉」であり、個人差がとても大きいからです。

■発達障害の主な種類

日本で一般的に発達障害と呼ばれるものには、以下のようなものがあります。


  • 自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)

    以前は広汎性発達障害と呼ばれていたものです。かつては自閉症やアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害といった細かな分類がされていましたが、現代ではこれらを全てまとめて自閉症スペクトラムと呼んでいます。


    自閉症スペクトラムの特徴として、

    ・人との関わりにおいて暗黙のルールの理解を理解するといった社会性が少ない

    ・「あるものをなにかに見立てて考える」といった想像や抽象的な思考が苦手

    ・他者とのコミュニケーションが苦手

    が挙げられます。


    ただし、個人差も大きく、同じ自閉症スペクトラムでも色合いが薄い場合には、情緒的な交流を持つことも可能ですし、言葉でのやり取りもできます。一方、より色合いの濃い自閉症スペクトラムの場合は、言葉でのやりとりができなかったり、視線が合わせられなかったり、対面している相手へのはたらきかけもほとんどない、などの特徴が顕著に現れます。

  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)

    ADHDの特徴は、

    ・気になったものに反応して、それまでしていたことを次の瞬間には忘れてしまう

    ・忘れ物をしやすい

    ・同じ姿勢でじっとしていることが苦手

    などです。


    ADHDも自閉症スペクトラムと同様に個人差が大きく、日常生活に大きな困難さをもたらす場合もある一方で、不注意がち・多動気味の傾向があっても、周囲の支援や整った環境でほとんど目立たずに生活できる場合もあります。

  • LD(学習障害)

    LDとは、知的には問題がないのに、

    ・文字を読んだり、書いたり、計算したりする、または推測するといった能力のいずれかの習得と使用に著しい困難さが生じる

    という特徴があります。


    これらの能力のすべてに困難さが生じるのではなく、「一部の能力」に困難さが生じるとされています。「文字で書かれているものを理解することは難しくても、耳で聞いたことを理解したり記憶したりすることには問題がない」などの場合もあり、こうした特性上、本格的に学習が始まる小学校以前の段階では気づかれにくいことが多いです。


    また、機能的な障害であるにも関わらず、単に「お勉強ができない」「怠惰である」といった誤解が生じてしまうこともあります。


自閉症スペクトラムとADHD、LDを分けて捉えることは難しく、陸続きのようになっていると捉えることが求められています。たとえば、自閉症スペクトラムと診断されても、ADHDの特徴が全くないかというとそうではありません。診断を受けたときに自閉症スペクトラムの傾向が強く出ていればそのように診断されるかもしれませんが、環境や状況によっては「自閉症スペクトラムの特徴は目立たずADHDの特徴が強く生じる」場合もあります。

■「発達障害かな?」と思ったら…

もし、ご自身やお子さんに発達障害の傾向が疑われた場合、どのような発達特性が生活に支障をきたしているのかを検討してみましょう。


とはいえ、ひとりで考えるのは難しいものです。気になる点があれば、各都道府県に設置されている発達障害者支援センターのほか、心療内科などでも相談できますので、ご自身のニーズに合うところを探してみてはいかがでしょうか。


発達障害であることか否かを判別することは難しく、また、判別しただけでは「生きづらさの解消」にはつながりません。抱えている困難をどう補いながら生活していくかを考えることが、最も大切なのです。


(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)