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生理前のイライラや体調不良… 月経前症候群(PMS)の症状と原因、対策は?

2017.09.25

生理前のイライラや体調不良… 月経前症候群(PMS)の症状と原因、対策は?


1カ月に1回やってくる、つらい生理。だんだんと生理予定日が近くにつれて、イライラしがちになったり、気持ちが不安定になったりした経験がある方も少なくないはず。その気分の上がり下がりは、もしかしたら月経前症候群(PMS)の症状かもしれません。


PMSってどんな症状があるの? どういう人がなるの? 生理前に起こるPMSについて、産婦人科医の高橋先生にお話を伺ってきました。

取材協力・監修



高橋怜奈 医師


2009年 東邦大学卒業

国立国際医療研究センター国府台病院、東邦大学医療センター大森病院産婦人科、大森赤十字病院産婦人科などを経て、2016年東邦大学医療センター大橋病院婦人科在籍。

■PMSってどんなもの? その症状は?

PMSは「月経前症候群」という名称で、月経3~10日前から感じる心や身体の不調を指します。その種類は200以上あるといわれ、人によって症状は異なります。



実は、PMSが起こる原因は、はっきりとわかっていません。女性の身体は排卵後の「黄体期」に、女性らしさをつくる卵胞ホルモン(エストロゲン)と、卵巣内に妊娠を助ける黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。


卵胞ホルモンは着床しやすいように子宮内膜を厚くし、黄体ホルモンは内膜の厚さを維持して妊娠の状態を安定させ、食欲増進や、基礎体温を上げ、体内水分を保とうとする働きがあります。一説によると、これらのホルモンが急激に変動することでPMSが起こると考えられています。


また、PMSが身体的不調であることに対して、精神的不調が重い状態のことを『PMDD(月経前不快気分障害)』と言います。普段はそうでもないのに攻撃的になったり、うつのように気分が落ち込んだりと、日常生活に支障が出てしまうこともあります。

■PMSの症状が重いときは、どうしたらいい?

PMSの症状が重くなる原因としては、ビタミンの欠乏やストレスの影響もあると一説ではいわれています。


生理痛が重いと、生理にマイナスのイメージを持ってしまい、生理の時期が近づくと憂鬱になります。イライラや気持ちの落ち込みなどPMSの症状が出ると、さらに生理への不安や不満が溜まり、ストレスの悪循環に陥ってしまうのです。


PMSは人によって症状が異なるため、周りの人に相談しても同調してもらえないことも。特に日本人は、我慢を美徳とする傾向があるので、職場に伝えられず、耐えてしまう人もいると思います。


自分のPMSのパターンを理解して、発症する時期は自分で『身体と心を休める時期』と考えるといいですね。特に症状がつらくて日常生活に差し支えるような人は、診察の上、病院で診断書を発行してもらうこともできるので、無理せずに睡眠、深呼吸をするなど心身ともにリラックスすることを心がけ、病院を受診するとよいでしょう。


一方で、ストレッチやヨガ、散歩など身体に負担をかけない軽い運動は、気分転換やホルモンの影響で滞った代謝をうながすことができるので、PMSの軽減につながります。


身体を動かせないけれども、頭痛や腰痛、むくみがひどいときは、食事で緩和できるケースもあります。塩分やアルコール、刺激の強いカフェインを控えて、水と、利尿作用のあるカリウムが含まれる緑黄色野菜などを積極的に摂取しましょう。


また、生理前は血糖値をコントロールするホルモンである「インスリン」の効果が下がります。すると食後の血糖値の上がり下がりのコントロールが難しくなるため、食欲が旺盛になり、イライラの症状が悪化することも。


そのときはゆっくり血糖値を上げるごぼう、サツマイモ、おから、納豆、雑穀などを一日に小分けして食事をとりましょう。砂糖、果物やチョコレートなどの甘味類は急激に血糖値を上げてしまいます。もしそれらを食べたい場合は、野菜の後に食べると血糖値の急上昇、そして脂肪がつきやすくなるのを抑えてくれるのでおすすめです。

■PMSがつらいときは病院に行くべき?

PMSは自覚することで判明する症状です。自分の身体や症状を知るには、基礎体温や、毎回どのような不調があるかを記録することから始めてみましょう。日常生活に支障をきたすレベルで、心身の不調があるときはそのまま我慢せず、婦人科に相談してみてください。


PMSと判明した場合でも、婦人科系のホルモンのバランスを整えるピルや漢方薬のほか、場合によっては精神科を紹介してもらい、別の薬を処方されることもあります。まずは婦人科を訪ね、必要があれば診断後にほかの病院を紹介してもらいましょう。


PMSは年齢に関係なく、生理がある人であれば誰でも発症する可能性があります。女性特有のホルモンサイクルによって、身体に現れる課題は人によって変わるもの。長く付き合っていく自分の身体なので、焦らずに担当医と相談してゆっくり向き合ってみてください。



まだ一歩踏み出せない人は、職場や地域で行っている子宮がん検査を受ける際に一緒に相談してみませんか。もしかしたら、すっと心が軽くなるかもしれませんよ。


(取材・文:小林有希 編集:ノオト)