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【卵巣嚢腫体験談】やや軽くとらえていましたが、これはまずいと思って手術を覚悟しました。

2017.09.14

【卵巣嚢腫体験談】やや軽くとらえていましたが、これはまずいと思って手術を覚悟しました。


卵巣嚢腫(のうしゅ)の症状や治療法についてはなんとなく知っていても、実際にこの病気にかかったらどんな苦労があるかは、当事者でないとなかなかわからないもの。そこで今回、卵巣嚢腫の手術を経験したroさんに、病気発見の経緯から手術、術後の経過にいたるまでお話いただきました。

■来院のきっかけは生理前困難症の悪化


―卵巣嚢腫であることが発覚した経緯を教えてください。


わたしは卵巣嚢腫と診断されたことが2度あるのですが、1度目は会社の健康診断で発見されました。医師から、「ここに腫瘍があるね」とさらっと告げられたのですが、自分の身体がそんなことになっているなんて思いもよらなかったので耳を疑いました。同時に、そのころは生理不順な上に無排卵月経の症状も認められたため、婦人科クリニックで治療を受けていたので、通院中の病院の担当医はなぜ見つけることができなかったのだろうと不信感を覚えました。腫瘍は左側の卵巣にできていたんですが、卵巣嚢腫だとの診断を受けてからは半年に1回の定期健診を続けました。


2度目は、はじめの診断から8年後のことです。今度は右側の卵巣嚢腫でした。当時、毎回生理2週間ほど前から生理前困難症に悩まされていたのですが、だんだん症状が悪化してきて、不正出血があることもあったし、腹痛や頭痛、吐き気、立ちくらみなどがひどくなり仕事にも支障がでてきたため、一度婦人科で診てもらうことにしたんです。


そこでまず見つかったのは子宮頚管ポリープでした。そのとき、右側卵巣が腫れていることを指摘され、3カ月間様子を見ることになったのですが、3カ月経っても腫れがひいていなかったためMRIで精密検査をおこなったところ、卵巣嚢腫であると診断されました。


この診断を受けたときは、これまでに増して不安が募りました。なぜかというと、片側だけならまだしも、両側の卵巣を失うリスクや卵巣機能低下の恐れがあったからです。それまでは片側にしか腫瘍がなかったのでやや軽くとらえていましたが、これはまずいと思って手術を覚悟しました。同時に、半年に1回の定期健診では、左側だけでなく右側も診てもらっていたのに、またしても見つけてもらえなかったことに対して担当医に不信感を覚えました。

■病気のことを理解してもらえないやりきれなさと、やさしくしてもらうありがたさを同時に味わった


―手術や入院において辛かったのはどんなことですか?


まず、全身麻酔が必要な手術であるため、持病の喘息をコントロールする必要があったのですが、処方された薬に慣れるまでの間、頭痛や喉の痛み、動悸などに悩まされました。


もちろん、手術は本当につらかったです。麻酔から覚めたときの痛みは想像以上で、身体が震えるほどでした。術中、挿管していたこともあり、声が出にくく、痛みがどのようなものであるか伝えるのも一苦労でした。


―精神的な辛さもありましたか?


外見的には健康体に見えるので、周りの人に不安な気持ちを十分に理解してもらえないのは辛かったです。しかも、とてもデリケートな部位の手術だから、手術内容について自分から周りに積極的に話さなかったため、ポリープ切除のような簡単な手術だとしか思われていなかったのか、デリカシーに欠ける言葉を浴びせてくる人もいました。


―では逆に、かけてもらってうれしかった言葉はありますか?


入院直前に「わたしまでドキドキする」とメールしてくれた親友、「応援してます」「負けないで」とメッセージをくれた闘病ブログの仲間たち、「術後は元気になることだけを目標にすること」と言ってくれた恩師のやさしさには感謝してもしきれません。また、手術当日には両親が片道5時間かけてお見舞いにきてくれましたし、主人は入院中毎日付き添ってくれました。


―ご主人のサポートは退院後も万全ですか?


家事はほとんど主人がやってくれているので、わたしはとにかく元気になることを最優先して毎日を過ごせています。今、手術から1週間経ったところですが、歩行もスムーズですし、寝がえりを打っても目が覚めなくなりました。これからもっと動けるようになったら、適度な運動や余暇の時間をしっかり持ちたいと思っていますが、今のところは、3食決まった時間にいただくことや、早寝早起きを心掛けています。

■メリット、デメリットを理解した上で手術を決めた


―手術の妊娠への影響に関して不安はありませんか?


妊娠に対して不安はありますが、手術したことで不安になったということはありません。なぜかというと、わたしは手術前から卵巣機能が低くなっていたこともあり、卵巣嚢腫を取り除くことで機能が回復する可能性があると医師から説明があったためです。しかし、その反対のことも起こり得るともお聞きしました。


また、妊娠希望であることを事前に伝えた上での手術だったので、手術担当医は、卵巣機能に支障が出る可能性のある嚢腫すべてを取り除くことは選択されませんでした。そのため、左側卵巣には小さな嚢腫がいくつか残っていますし、手術の際、小さな子宮筋腫も見つかりました。


卵巣嚢腫の手術内容や手術をするかどうかは、緊急を要するケースを除き、多くの場合は患者に委ねられます。そのため、手術することによるメリット、デメリットをしっかりと理解した上で決断することが大切です。また、妊娠希望である場合は、事前にそのことを担当医に伝えておくことも必須です。


さらに言うと、卵巣嚢腫は、卵巣がある人なら誰でもなる可能性がある疾患なので、まずはこの病気のことをよく知って、健康なうちから早期発見に努めてほしいです。


卵巣嚢腫の9割は良性で、サイズが小さければ経過観察となりますが、大きくなると卵巣が捻じれたり破裂したりといった可能性も出てきます。卵巣や卵管、しいては子宮まで失ってからでは後悔してもしきれないはず。生理不順や不正出血、下腹部痛が日常的に起きているなら「異常な状態」だと思ってすぐに病院で診てもらうことをおすすめしますし、ブライダルチェックのひとつに卵巣嚢腫の検診を取り入れることもぜひ検討してほしいです。


―ありがとうございました。



定期的な検診を受けるだけでなく、日常的な下腹部痛や生理不順を病気のサインだと疑うこともとても大切。「いつものことだから」と放っておくことなく、気になる症状があるならどうぞ信頼できるお医者さんに相談してみてくださいね。

●roさん闘病ブログ

「34歳・結婚6年目 / 両側卵巣嚢腫の発覚から手術、その経過を綴るブログ」

http://ameblo.jp/mihi-ro-i/

(取材・文 松本玲子)