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「女性の10人に1人が発症する」のはどうして?子宮内膜症の原因

2017.08.23

「女性の10人に1人が発症する」のはどうして?子宮内膜症の原因


「子宮内膜症」は月経のある女性の1割が発症しているといわれます。子宮内膜症の治療を受けている患者は13万人にも上ると推計されており、つまりそれぐらいポピュラーな病気なわけです。では、子宮内膜症はどんな原因で発症するのでしょうか?

記事監修


笹倉渉院長・医師

『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学付属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

■子宮内膜症ってどんな病気?

子宮内膜症の原因はまだ確定されていません。現在ではふたつの説があるのですが、それを理解するために、まず子宮内膜症がどのような病気なのかをおさらいしておきます。


子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮内膜以外の場所で増殖、剥離(はくり)・出血を繰り返すという病気です。そもそも「子宮内膜」は子宮腔に面した子宮の上皮組織で、受精卵の着床に備えて厚みを増し、着床が行われないと剥がれて落ちるようになっています。子宮内膜に似た組織も同様の性質を持ち、子宮内膜以外のところで増殖・剥離(はくり)を行ってしまうのです。これによって、炎症、癒着、痛みが引き起こされます。


つまり子宮内膜に似た組織がなぜ本来と違う場所にあるのか? がまず分からなければ子宮内膜症の原因は解明できないというわけです。


※子宮内膜は正確には「機能層」と「基底層」に分類されます。機能層(緻密層と海綿層から成ります)は月経時に脱落する層状の組織、基底層は脱落せず残る組織です。

■子宮内膜症の原因は?

子宮内膜症の原因はまだ確定されていませんが、以下ふたつの説があります。


1.子宮内膜移植説

月経血の逆流が原因で、月経血に含まれた子宮内膜の組織がほかの場所に運ばれ、そこにとどまって増殖する。


2.体腔上皮化生(たいくうじょうひかせい)説

腹膜が何らかの原因で子宮内膜に似た組織になり(「化生」といいます)、これが増殖する。


このうち、現在では1の説が有力視されています。子宮内膜症の発症には月経血の逆流が大きく関係していると目されていますが、これは多くの女性で起こること。ですから、月経血の逆流があるからといって、必ずしも子宮内膜症になるとは限りません。


月経血の逆流に、環境要因、遺伝的要因、正所性子宮内膜の変化、腹腔(ふくくう)内環境異常、免疫学的因子、子宮内膜症組織での遺伝子変化など、何らかの要因が作用して発症すると考えられますが、決定的な解答はまだありません。


ちなみに「タンポンを使用していると子宮内膜症になる」なんて話がありますが、そのような科学的根拠は見当たりません。子宮内膜症がなぜ発症するのかについては「月経血の逆流によって子宮内膜の組織が他の場所に運ばれ、それが何らかの原因で増殖することによって起こる」という考えが有力視されているのです。



(高橋モータース@dcp)