巷にあふれる「潤い保湿」の文字。使ってみたけどそうでもないし、どれを使ったら本当に肌が潤うの?と悩む人も多いはず。
「そもそも、肌に合う成分や合わない成分ってどうやって見分けるの?肌にいい成分、肌に優しい成分……、一体どれが一番いいのー?!」
そんな断末魔の叫びが聞こえたような聞こえないような。
このシリーズは、肌育成スペシャリストの筆者が実際に使ったコスメを元に
「どの成分が気になったのか?」「何をいいと感じたのか?」というポイントも交えつつ、綺麗な肌をつくるために必要な知識や化粧品成分の豆知識をみんなで学んでいこう!というもの。
たくさんある美容についての疑問。その答えを見つけ出せるようなシリーズです。
女性が塗らなければいけない「クリーム」って、結構種類が多いですよね。
フェイス用乳液、ボディ用乳液、リップクリーム、ハンドクリーム、かかと用クリームなど……。「ひとつじゃダメなんですか?」と言いたくなるほどたくさんあります。
化粧品成分の知識がある方は「これなら全身に使えそう」とか「これだとベタつきすぎかも」「もう少し潤い成分が欲しいな」といった判断をしながら自分に合った商品を購入できますが、そんな方はほんのわずかでしょう。
今回は、ひとつでさまざまな用途に使える、優秀な「クリーム」を選ぶポイントについてお伝えします。
◇油の種類を知ろう
クリームの主成分になっているのは水と油ですが、油にはさまざまな種類があります。
肌になじみやすいといわれる植物系の油や、しっかりと膜を張ってくれる合成系の油、サラッとした仕上がりを感じさせてくれる油、そしてロウ類……。
もう少し細かく分かれているのですが、簡単に種類を覚えるなら上記の様なイメージをしてもらうとわかりやすいでしょう。
植物系の油といえば、オリーブ油やごま油など、わたしたちに身近な油があります。
植物系のものは肌になじみやすいものも多いので、美容オイルにもたくさん使われていますよね。
また、合成系油には「ミネラルオイル」などがあり、クリームに配合される際はしっかりと膜を張って水分の蒸発から肌を守ってくれる効果があります。
化粧品成分は、ひとつにつき様々な役割があるので、今回は「クリームに配合されている場合」だということをお忘れなく。
クレンジングオイルに配合されているときは、肌になじんでメイクを浮かせて落とすなどの役割を担っています。
ミツロウなどは「ロウ」の種類ですが、肌になじみつつ膜を張ってくれます。
同じ油でも役割が違うこと、なんとなくわかって頂けたのではないでしょうか。
◇さっぱりした使用感のクリーム
今回ご紹介するのは、「さっぱりした使用感で保湿もしっかりできるクリームはないものか」と探した結果にたどり着いたアイテムです。
商品名はハンドクリームですが、乾燥でくすみが目立ちがちなヒジもヒザもこれ1本でカバーできます!
●長坂養蜂場
やさしいはちみつハンドクリーム 50g 1,278円 (税抜き)
【配合成分】※主要成分のみ※
・水
・ハチミツ
いわずとしれた保湿成分。肌をなめらかにする効果がある。
・プロパンジオール
抗菌性もある保湿剤。つるつるとした使用感も。
・パルミチン酸イソプロピル
さっぱりしたオイル。
・ホホバ種子油
植物から採れる液体のロウ。乾燥肌を柔らかくする。
・シア脂
別名シアバター。保湿に優れている。
【おすすめポイント】
はちみつの保湿効果は有名ですが、ベタベタするのが気になっていた筆者。しかしこのクリームはさっぱり系のオイルを合わせてあるとのことで、購入してみました。使用感はとてもさっぱりしつつ、はちみつが多いだけに保湿効果を感じます。暑い季節にベタベタしたものは塗りたくないし、全身に使えるクリームもほしかったので、このさっぱり感は嬉しい限り。
化粧品の「使用感」と「効果」は別なものです。
さっぱりしているからといって保湿効果が弱いわけではないですし、ベタベタするからといって保湿効果が高いわけでもありません。
はちみつの保湿効果を発揮しつつ、仕上がりがさっぱりしているなんて嬉しいですよね。
【注意点】
容器が少し大きめなので持ち運びにはちょっと不便です。仕事用の大きなバッグであっても場所を取るので、自宅用になってしまったのがちょっと残念。
成分の合う合わないはあると思いますが、はちみつの優しい保湿効果が好きな方にはぴったりの商品です。
保湿成分も数あれど、蜂たちが集めてくれた蜜を塗れるなんて贅沢な時間ですよね。
(社)日本爪肌美容検定協会代表理事/川上愛子