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いいこともある?「二度寝」が身体に与える効果とリスク

2018.10.13

いいこともある?「二度寝」が身体に与える効果とリスク


「朝起きてもまだ眠い…あと5分だけ寝るか…」なんて、誰しも二度寝をしたことがあるのではないでしょうか?特に、予定のない休日だと気兼ねなく寝直すことができると思います。人によっては二度寝の気持ちよさを感じるため、あえて本来の起床時間よりも早くに目覚ましのアラームをセットする場合もあるでしょう。

今回はこの二度寝について取り上げてみたいと思います。

二度寝の効果とリスク


二度寝が気持ちいい理由については、科学的に実証した研究が見当たらず、はっきりとはわかっていません。しかし、恐らく心理的な要因が大きいのではないかと考えられます。「まだ寝ても平気」といった安堵感や開放感といった感情が気持ちよさにつながっているのでしょう。

こういった心理的な効果によって気持ちよさを得られるのは、確かに大切かもしれません。


しかし本来、起床時の脳は覚醒する状態になっているはずです。したがって、朝眠いのは体内時計の機能が不十分であり、睡眠リズムを含めた生活習慣の見直しが必要ということになります。二度寝で気持ちよさを味わうのも良いですが、朝シャキッと起きられた方が良いですよね。


二度寝が習慣になるリスクとして、本来備わっている体内時計がずれやすいということがあげられます。

寝る時間が遅くなることで体内時計が後ろにずれて固定されるのを「睡眠相後退症候群」といいます。この問題があると、単に睡眠不足を解消するのではなく、体内リズムを元に戻す対策が必要です


また、起床直後に強い眠気や疲労感がたまっている状態は一般的に「ねぼけ」といわれていますが、専門用語では「睡眠慣性」と呼ばれています。睡眠慣性は、覚醒時の睡眠の深さと関連します。本来は深いノンレム睡眠から浅いレム睡眠に移行して徐々に覚醒していきます。しかし、深い睡眠状態のときに起きてしまうと、脳はまだ眠っている状態が続くのです。研究では深い睡眠になりやすい0~3時頃や、体温が最も低くなりやすい4~5時頃に目が覚めるとこの睡眠慣性が特に強く生じ、持続時間も長いとされています。

つまり二度寝したいからといって本来よりも早くに目覚めようとすると、この睡眠慣性が出やすく、かえって眠気や疲労感といった症状が出てしまいます。この睡眠慣性を避けるには、目覚める時刻を計画的に管理する必要があります。できれば、体温が上昇する6時頃に起きると良いでしょう。

ここまでをまとめると、二度寝を習慣にせず、起床時刻をそろえる習慣をつけた方が、気持ちよく起きやすいといえます。

効果的な二度寝


じゃあ二度寝は良くないのか…と思うでしょう。しかしそうではありません。

日中の二度寝、つまり昼寝は効果的であることされています。

私たちは、学校や仕事に行くようになってから、社会的規制により夜だけに眠る習慣がつくようになります。しかし、眠気のピークは二峰性を示し、通常の生活パターンでは、午前4~5時前後が最も強く、午後3時前後に次のピークがきます。午後に眠気のピークがくるわけですから、睡眠を数回に分けてとるのは正常です。


したがって、午後に補足的に睡眠をとるのは、睡眠リズムを崩さず午後にスッキリした状態で活動するのに効果的です。ただし、昼寝は午後3時まで、30分以内にしましょう。その時間以降だと、夜の睡眠に影響が出やすいといわれています。また、30分以上寝ると深い睡眠状態になり、先程の睡眠慣性が出やすくなります。また、コーヒーなどのカフェインを摂取してから二度寝をすると、カフェインの効果が約20〜25分後に出てスッキリ目覚めやすいといわれています。

最後に

朝目覚めたときスッキリしているか、していないかでその日のやる気や過ごし方も変わりますよね。できれば朝、スッキリした気分で目を覚ましたいものです。

もし朝起きても眠いという場合は、まず自分の就寝時や起床時の活動を見直してみましょう。例えば夜更かしが増えてないか、寝る前に作業したり、パソコンやスマートフォンをたくさん使ってないか(明るい光を浴びると覚醒しやすくなります)などをチェックしましょう。

そして、朝には明るい光を浴びる、朝ごはんを食べることが推奨されています。

一日のなかで多くの時間を占めている睡眠。この睡眠をおろそかにせず質の高い睡眠を目指して、よりよい生活になるように改善していきましょう。

参考文献

白川修一郎 おもしろ看護睡眠科学 メディカ出版 1999

堀忠雄編 睡眠心理学 北大路書房 2008

永井佳代・遠藤拓郎 女性のための睡眠バイブル 主婦と生活社 2008

リチャード・ワイズマン 木村 博江訳 よく眠るための科学が教える10の秘密 文藝春秋 2015

(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)