まぶたや目の下、またおでこに「白いブツブツ」ができたことはありませんか? これはニキビなどの吹き出物とは違う「稗粒種(はいりゅうしゅ)」と呼ばれるものです。老若男女関係なくできるものですが、いったい原因は何なのでしょうか? 今回は「稗粒種」について解説します。
記事監修
桑原香織 先生
皮膚科医。東京医科大学卒業。同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積み、その後は都内皮膚科クリニックに勤務。現在は、一般財団法人中小企業衛生管理協会霞ヶ関診療所の産業医として就労者の健康管理に携わっている。
女医+(じょいぷらす)所属。
▼霞ヶ関診療所
■稗粒種の正体は……角質?
稗粒種は「老廃物の塊」です。皮膚の中には毛を作る小さな袋(毛包)や皮脂を分泌する器官(皮脂腺)があります。これらの中に角質がたまったり、毛が外に出ずにとどまったりすることがあります。それが角質化してできるのが稗粒種とされています。
大きさは1~2mmほどで、色は白や肌色をしています。その大きさや色合いからニキビなどの吹き出物と勘違いすることもありますが、指で押すと硬く、ニキビと違って内容物を押し出したりつぶしたりすることが容易にできません。また、炎症ではないので痛みがないのも特徴です。
■稗粒種ができてしまうのは体質?
稗粒種には、体質が原因となる先天性のものと、肌を引っかくなどの外部刺激が原因でできてしまう後天性のものがあります。
後天性のものの原因としては、外部からの刺激で毛穴が傷んでできる以外に、油分の多い食事が原因で皮脂分泌量が増え、皮脂が詰まるケースがあります。
ほかには、やけどや自己免疫性の水疱症(後天性表皮水疱症など)になった後に稗粒種ができることもあります。
■稗粒種を治すにはどうしたらいい?
炎症ではない稗粒種は痛みがないため、できてしまっても体に影響はありません。気にならなければそのままにしておいてもよいとされています。
ただ、稗粒種は白く濁った色なので、できる場所によっては目立ってしまい、見た目に影響を与えることがあります。その場合は早く取り除きたくなるかもしれません。しかし、自分で処置をするのは避けましょう。傷になったり、化膿(かのう)したりする可能性があるためです。皮膚科を受診し、処置を受けるようにしてくだい。皮膚科では、注射針などで小切開し、白色の内容物を排出します。
稗粒種ができると、ついついつぶしたくなってしまうかもしれませんが、上述のように「自分で取り除くのは危険を伴う」ものです。もし目立つ場所にできてしまった場合は、専門医の診察を受け、適切な処置を受けるようにするといいですね。
(中田ボンベ@dcp)