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「年を取ると太りやすくなる」って本当?その理由とは?

2018.07.20

「年を取ると太りやすくなる」って本当?その理由とは?


「年を取ると太りやすくなる」といわれたりしますね。たとえ若い頃と同じように食事・運動をしていたとしても、体型の変化、いわゆる「中年太り」に悩まされてしまうことがあるものです。このように、加齢によって太りやすくなるのはなぜなのでしょうか。今回は「年を取る太りやすくなる理由」についてご紹介します。

記事監修

工藤孝文先生


糖尿病内科・ ダイエット外来 ・漢方治療・女性内科


福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模での診療も行っている。

医師+(いしぷらす)所属。


▼工藤内科 クリニックホームページ

http://www.kudonaika.com/

▼工藤孝文先生のスマホ通院できるダイエット外来

https://ameblo.jp/takafumikudo

■「基礎代謝」について知りましょう!

人間が生きていくためには食物を取り、それを消化してエネルギーに換えなければなりません。脳、心臓など人体を構成する臓器が働き続けるためには、それを維持するための最低限のエネルギーが必要です。この、


体を動かさなくても消費される生命維持に必要な最低限のエネルギー


を「基礎代謝」といいます。


基礎代謝で消費できるよりも多くの食物を取ると、体は余った分を「いざというときのエネルギー源」として取っておきます。このエネルギー源は「脂肪」の形で蓄えられるので「太る」のです。


逆に、基礎代謝分よりも食物を取る量が少なければ、自分の体を取り崩して不足したエネルギーを補います。これが「痩せる」ということです。

■「中年太り」になる仕組み

基礎代謝分を確保できるだけ過不足なく食べれば、脂肪は体に付かないということになります。しかし現在では栄養価の高い食物が安価に入手できますので、多くの人が「食べ過ぎ」の傾向にあります。


若いうちはよく活動しますので、基礎代謝分以上に多少飲み食いしてもエネルギーは消費され、体に脂肪は付きません。しかし、年齢を重ねると運動量が減るのに、若いときと同じように飲食する習慣はなかなか抜けないものです。このギャップが「基礎代謝を超えるエネルギー摂取」になり、太る原因になります。


また、年を取るとともに筋肉などの組織が痩せ、その分基礎代謝が落ちます。多くのエネルギーを使うのは「脳」「心臓」「肝臓」「骨格筋」などですが、特に「加齢による筋肉量の減少」は基礎代謝が低下する大きな原因になります。基礎代謝が低下するため、若いときと同じだけ食べると余剰分が出てしまい、太る原因になるというわけです。


さらに、いったん体に蓄えられた脂肪は「落ちにくい」(消費されにくい)という特徴があります。


そもそも脂肪は「いざというときのためのエネルギー源」として蓄えられますが、実は活動のエネルギー源を蓄えておくタンクは二つあります。


1肝臓・筋肉にグリコーゲンの形で蓄える

2脂肪として蓄える


普段のエネルギー源には血液中のブドウ糖(グルコ−ス)が使われています。ブドウ糖は血管を流れて全身に供給されます。運動を行って、ブドウ糖が足りなくなってくると、1のグリコーゲンをブドウ糖にして使います。グリコーゲンはすぐにブドウ糖にできるので使い勝手がいいのです。ただし、グリコーゲンは最大蓄えられても24時間分ぐらいしかありません。


グリコーゲンが減ってくると、今度は脂肪をエネルギー源にします。まずリパーゼという酵素が脂肪を「脂肪酸」と「グリセロール」に分解します。


脂肪酸は血液中に溶け込んで(これを遊離脂肪酸といいます)全身の細胞に届けられるのですが、細胞内のミトコンドリアが脂肪酸と酸素を反応させて大きなエネルギーを取り出します(酸化反応:このとき水と二酸化炭素ができます)。これがいわゆる「脂肪の燃焼」です。


しかし、この脂肪の燃焼を行うのはエネルギー源が枯渇しそうになってからです。運動を行っても、グリコーゲンが減り、「まずい!燃料がなくなってきたぞ!」と体が認識しないと、脂肪が使われません。そのためいったん太ってしまうと、継続的にある程度の負荷のかかる運動を行わない限り、脂肪を落とすことができないのです。しかも基礎代謝が低下していますから、その分さらに脂肪を燃焼させることが難しいのです。


まとめると次のようになります。


1加齢とともに基礎代謝が低下する

2若いときと同じように飲食するとすぐに過剰摂取になる

3余ったエネルギー源は脂肪として体に蓄積される

4体に蓄えられた脂肪は落ちにくい


このように、年とともに太りやすくなるというのは本当で、中年太りを解消しにくいのも事実です。ですから、やはり若いうちから肥満に気を付けて、食べ過ぎないことが重要になります。すでに太っていると自覚している人は、適度な運動を行い、脂肪を落とすように努力してくださいね。


(高橋モータース@dcp)