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ひとつなくても機能するって本当? 腎臓の働きとは?

2018.05.26

ひとつなくても機能するって本当? 腎臓の働きとは?


主な臓器のうち同じものがふたつあり、一対になっているのが「肺」と「腎臓」です。肺の「酸素を体内に取り込む」という働きはよく知られていますが、腎臓はどんな働きをするのかご存じでしょうか? 「ふたつ」あるのはどうして? 今回は、「腎臓の働き」についてご紹介します。

記事監修



岡村信良 医師


医療法人小田原博信会 理事長、医学博士-健康検定協会-

■腎臓の主な働きは尿を作ること

腎臓は、肋骨(ろっこつ)の一番下辺りの内側(背中側)に位置する臓器で、左右一対あります。腎臓の主な働きは、

  • 血液をろ過して尿を作り出す

  • 体内の塩分濃度の調節

  • 血圧の調節

の3つです。


腎臓には、血液をろ過して原尿を作る「腎小体」と、原尿から栄養素を再吸収する「尿細管」があります。この腎小体と尿細管の集合体は「ネフロン」と呼ばれ、腎臓には左右合わせて200万個ものネフロンがあります。


200万個のネフロンのうち、実際に動いているのは10%程度。それ以外はもしものときのためのバックアップです。たとえば、けがなどで腎臓をひとつ摘出したとしても、残りの腎臓のネフロンでカバーするのです。


腎臓に流れ込んだ血液は、腎小体でろ過され、このときこし取られた老廃物や余分な水分が原尿となります。しかし、原尿にはまだ栄養素が残っているので、尿細管を通る過程で必要な栄養素を再吸収します。そして残ったものが尿として腎盂(じんう)に集まり、そこから尿管を通って膀胱(ぼうこう)へと運ばれます。

■塩分濃度や血圧調整も腎臓の重要な仕事

次は体内の塩分濃度の調節です。血液には塩分が含まれており、濃すぎると高血圧症などになる恐れが高まり、反対に薄いと血圧の低下や免疫機能の低下を引き起こします。腎臓では、こうした塩分過多・不足に陥らないよう、塩分濃度を調整しています。


たとえば、塩分濃度が濃いときは塩分を多く排出し、薄いときは水分を多く排出します。塩分濃度の調節は、腎小体で作られた原尿が尿細管を通る際に行われます。


また、血圧の調整も腎臓の大きな役割のひとつ。腎臓には、常に全体の4分の1もの量の血液が送り込まれていますが、その量が減ると「血圧が低くなっている」と判断し、血圧を上げる酵素を排出します。反対に、血液の量が増えると「血圧が高くなった」と判断し、今度は血圧を下げる酵素を出します。



腎臓は片方だけでも問題なく機能する珍しい臓器ですが、だからといって過信は禁物です。高血圧、糖尿病や高脂血症など動脈硬化をきたしやすい病気のほか、腎臓自体の病気になることもあります。腎臓が悪くなっても自覚症状は殆どありませんでの、定期的に健康診断や血液検査などで調べておくことも大事ですね。


(中田ボンベ@dcp)